●負け犬の遠吠え


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負け犬の遠吠え
酒井 順子
負け犬の遠吠え
定価: ¥ 1,470
販売価格: ¥ 1,470
人気ランキング: 14,752位
おすすめ度:
発売日: 2003-10
発売元: 講談社
発送可能時期: 通常24時間以内に発送


才気溢れる、だがヒューマニストの対極を行くエッセイである。
「負け犬」「勝ち犬」の的確な人物評に爆笑&感服。しかし著者の鋭い批評眼は乾ききって救いがなく、読後感は悪い。弱いものいじめスレスレの箇所もある。だが筆者が自身にも容赦なくツッコミを入れ、ナルシシズムと決別しているのは潔い。
ところで著者は「価値だの負けだのということが、ほとほとどうでもいいことのように思えてくる」とあとがきで述べているが、実際は、他人に常に評価を下し、他人からつねに評価される生活から、逃れたいのに逃れられないといったところではないだろうか。
私は普段は適度な毒(シニシズム)のある本が好きなのだが、この本はしかし毒が適量を超えているように思われる。シニシズムが読み手の心を捉えるのは、あくまでシニシズムの底に真摯さがある場合である。冷笑のための冷笑は虚無感しか生まない。
一読の価値あり。しかし一読で十分。

ある意味、新ジャンル
会社の女性5人(すべて20代なので、まだ勝ち犬&負け犬予備軍)に貸し出しました。
「読んでいて、むかついてきた」
「なんか、ブルーになってきた」という意見あり、
「痛快でおもしろかった」
「人生のバイブルにする!」という意見あり・・・。
私は、おもしろかった派ですが、内容以上に、その表現の仕方がよかったです。
こういう内容の本を、女性作家が書くと、
1:やさしく応援系
2:赤裸々自虐系
のものが多いように思いますが、この本は
3:ひたすら客観視線
作者自身、「自分は世間から心配&かわいそうと思われている負け犬」
という自覚があるものの、そんな自分すらどっか引いた目で見ている。女性を取り巻く環境を、ちょっと離れたところから見ている視線が、あの文章を生んだのだなあと。
「勝ち犬」「負け犬」とか、あと「宗教」とか、わざと反感を買うような例えも多いけど、視線を広く見ると、それが「ムカつく」ではなく、物事の本質をとらえている、そんな風に思えてきます。

今更ながら読んでみました
話題になって相当たってから、機会があり読んでみました。
話題になった当時、タイトルと報道だけを見て「社会学的な本」をイメージしていましたが、実際に読むと真剣に結婚問題(未婚とか女性の地位とか)を考えるというより、遊戯的な気分に溢れてるので肩透かしを食らう読者も多かったのかなー、と思わされます。
「何もかも手に入れたと思っても、いいパートナーがいないと世間の目ってこたえるよね」という苦笑まじりの呼びかけは、ある種「子育てが大変でも子供って親の恩なんて考えないのよね」みたいな、真剣な悩みまでいかない軽い愚痴という感じで。もっと湿っぽいものを想像していたので、この軽さはいい感じだと思いました。
社会に出てみると、「仕事ができるかできないか」の差別のほうが強すぎて(差別という言い方は変かも知れませんが)、「未婚か既婚か」なんて誰も考えるゆとりないというのも正直なところですが、もし仕事ができなくて未婚だったら(男女問わず)風当たりはきつく感じるのかもしれませんねー。
どっちにしろ、何らかの結論を出すというような堅い内容ではないし、境遇の違う人(例えば定職のない女性や地方の女性)にとっては簡単に共感できる本でもないと思うので、そこを割り切って軽い読み物として楽しむと、作者の遊戯感覚と微妙なユーモアが伝わってきて好感が持てるのではないかと思います。そういう意味で、今の人生の流れに特に不満のない人や既婚女性のほうが楽しめる一冊かもしれません。

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